目が覚めた。7時49分。
眠い目をこすりながらハッと気づく。
「今日は古紙回収の日だっ!」
うちの地区のゴミの回収は早い。特に古紙に関しては。
普通のゴミは9時ぐらいまで平気なのに、
こと古紙に関しては8時15分ぐらいには回収に来る。
いや、8時までに出せって『収集日程』にも書いてあるから、
ジブンが悪いのは百も承知だけども・・・。
なりふり構わず、たまった『ビックコミックスピリッツ』を紐でまとめて、
紙袋の日経新聞をゴミ捨て場に。
新聞は引越しの準備やらで使うと思って、ためていたので、もう一袋。
走る。走る。走る。
二袋目を持って、ダッシュ。
階段を駆け下りる。
・・・・・・・・・・。
袋いっぱいに詰め込んだ新聞紙の重さに耐え切れず、破けた紙袋。
すこし大きな音を立てて、滑り落ちる新聞紙・・・。
あわてて、とりまとめるも、使い物にならならない紙袋。
一度部屋に戻って、新しい紙袋を取って、急いで戻る。
時間との闘い。
急いで、いびつに詰まれた新聞紙を詰め込む。
「おはようございます。」
近所のおばさんだった。
「お、おはようございます。」
あわてて、返事。
「こっちは回収早いでしょ。うちのほうが少し回収遅いから、こっちに出しても大丈夫よ。」
確かに前の細い道を隔てた向かいは区画が違うので、少しだけ回収の時間が異なる。
「あ、、ありがとうございますっ!」
「もし、出すならここら辺に出したらいいから。」
家に入りながら、そんな優しい言葉をかけてくれた。
「ありがとうございます!今度使わせてもらいます!」
ちょっと嘘をついた。
そんなジブンに辟易しつつ。
2年暮らして、いままで同じタテモノのヒトとアイサツを交わすぐらい。
はじめてのご近所コミュニケーション。
これだけで今日をシアワセに過ごせる。そんな気がした8時15分。
あっ、ダンボール出し忘れた…。
ここを出るまで、あと2日。
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